前橋さんはとにかくストイック。どんなに難しい曲でも完全に暗譜してきます。精神安定剤のための譜面台を置くことすら拒否します。彼女の演奏を聴けば、その練習量は推して知るべし。日本のヴァイオリニストの中では群を抜いているでしょう。ただその完全主義のために、「あそび」とか「瑞々しさ」とか「危うさ」というものが欠けているのです。
一方千住さんは、最近はコンサート多過ぎです。ある意味で前橋さんとは対極にあるかもしれません。ただ一昨日のような何とも言えぬ瑞々しい演奏に触れてしまうと、彼女の言う「不完全は特徴であり、欠点ではない」という理屈が分かるのです。
男性奏者で言えば古澤巌さん。海野さんや徳永さんの方が彼よりも上だとは思うのですが、あの「雲雀」を聴いてしまうとたまらないのです。
前橋さんと千住さんの評価もそういう関係のものだと思うのです。
新人類・川久保賜紀さんはどんな風になるのでしょうか。楽しみです。
http://www.tepore.com/column/konohito/20030109/01.htm
http://www.tepore.com/column/konohito/20030123/01.htm