ツリシチェワを思い出します

かつてソビエトの女子体操界にツリシチェワという名選手がいました。
正確な技術と美しさを見事に融和させた「芸術」と言っていい素晴らしい演技で、ミュンヘンオリンピックから75年のヨーロッパ選手権まで個人総合V7を成し遂げた選手です。
しかし23歳で迎えた最後のオリンピック、モントリオール大会で、あのコマネチと同僚のコルブトにメダルをさらわれてしまったのです。
むしろそれは「盗まれた」と言った方がいいかも知れません。
超高級難度の技を正確にこなすだけのコマネチやコルブトが評価され、「流れ」とか「表現」とか言う、芸術的な要素を持ち合わせていたツリシチェワは全く評価の対象外のようでありました。
小さな少女が軽業を連発するたびに拍手喝采をする、これではまるで角兵衛獅子と同じです。
ボクは今でもモントリオールの金メダリストはツリシチェワであるべきだったと思っています。

ところでいま女子スケート界が同じような話題でもちきりです。ボクはISUの判断は正しいと思います。
みんな本当は、カタリナ・ビットのような選手を見たいのではありませんか。カルガリのあの「カルメン」を越えるスケーティングを見たいのではありませんか。
だって角兵衛獅子はどこまでいっても角兵衛獅子なのですから。健気だとは思いますけどね。

2005年12月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : Singer