先輩は、制作部門で送ろう!とみんなで決めました。
ライン課長が道案内に立ち、ボクらも受付に立ちました。
弔問に来てくださる皆さんが、流石だね、と言ってくださいました。
それは先輩が流石なのであって、ボクたちはいつも大好きなこの先輩に導かれていたのです。シャイな先輩だからこそ、総務や人事ではなく、いつも先輩を慕っていた後輩たちで送ろうと決めたのです。それは指示や打ち合わせをしたわけでもなく、自発的に参加してくれたのです。
「みんな、ありがとう」という先輩の声が聞こえてきます。
そういうところは結構素直に、スッと言える人でしたから。
実は通夜の時は涙が出ませんでした。先輩はこのひと月で別人の様に痩せ衰えたので、本人を見てもどうも実感がありませんでした。
告別式の最後のミサで神父様が弔電を読み上げた時、ああ、やっぱり死んでしまったんだと思ったら、急に涙が出てきました。後輩たちもしゃくり上げるように泣いていました。泣くなよと言いながら、口元が痙攣していました。
会社から言われるまで、先輩の机はそのままにしておくことにしました。書籍類や電卓やペンや、みんな、そのままです。まるで海外出張に行っているようです。
整理するなよ、とボクは言ってあります。そのままで、明日帰ってくるようにしておくように言ってあります。
それにしても、とても悲しいです。ボクは、本当に悲しいです。
john