昨夜、尾上菊五郎の義経三本桜を観ました。
菊五郎、時蔵、松緑、菊之助、團蔵などが出演、興味深い舞台でした。
松緑がひどかったですね。
彼は恐らく機能性構音障害で、普段の会話でも「さ行」「た行」の発音が悪いのです。俗に言う舌足らずというやつです。それが台詞回しにもそのまま出ています。
身体的な欠陥とはいえ、歌舞伎役者にとっては致命的です。
三幕目の河連法眼館の段で、松緑は狐忠信を演じたのですが、これがまた最悪でした。
動きが激しいせいか、途中から声が出なくなり、発音の悪さが気になりました。
先々代の松緑は、先代世団十郎(現世団十郎の父)、先代幸四郎(幸四郎、吉右衛門の父)の弟であり、三兄弟はいずれも声のよさ、台詞回しのよさで知られています。
松緑の長男、初代辰之助もまた、天才的な歌舞伎役者でした。
とにかく声が良かった。
ボソボソっと言う台詞が、客席の最後列でも聞こえました。
その初代辰之助の息子が今の松緑です。
かつて今の団十郎の襲名興行のプログラムの中で、先々代松緑(今の松緑の祖父)は団十郎の口跡の悪さについて書きました。
叔父としては、どうしても言っておかねばならなかったのでしょう。
何とも皮肉ではあります。
ところで時蔵の息子、梅枝が静御前を演じたのですが、きれいでした。時蔵と違い、鼻がスッとしています。
時蔵は気の毒なくらい萎れていました。