横浜美術館「ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家」をみた

二人の写真家がどういう人物なのかは個人で調べてください。
その上で、このブログをお読みいただければ幸いです。

はっきり言って、この写真展に感動はありませんでした。
ふたりとも戦争という背景を上手に利用した『単なる』コマーシャル・カメラマンに過ぎないというのがボクの印象です。
彼らが何を伝えたかったのかよく分かりません。

キャパの場合は、戦争という世相の中の庶民を撮った写真が優れています。
例えば空襲警報下の夫人と犬の写真、親ナチスの狙撃に対して広場で身を伏せる市民の写真など、本人も危険を背負った写真は素晴らしいものがあります。
戦争という日常の中で、死と隣り合わせの生活や緊迫感が伝わってきます。
ドイツ兵の子供を産んだフランス人女性が丸刈りにされて、大通りを歩かされている「健全な人々」もアイロニカルです。

恋人であったゲルダ・タローは単に戦争が生み出しているものを撮っている、という印象です。負傷者やら死体やら。。。
キャパもタローも、基本的には戦闘から距離を置いて撮影しています。これは写真を見れば分かります。
有名になるならなりふり構わず、「やらせ」のナンチャッテ写真もあります。
タローが撮影した「崩れ落ちる兵士」は、今はやらせという評価です。撃たれた人間はあんな倒れ方はしないということですし、撮影場所も戦闘が行われたことがないところだそうです。
全く同じ構図で人物だけが違うというのもあります。それって何?

タローが事故死(戦死ではなく)した後、ようやくキャパは戦場に身を置いた写真を撮ります。
「Dデイ」はそのひとつです。ノルマディー上陸作戦に帯同して撮影したもので、ピンぼけですが、緊迫感があります。
併設展で沢田教一の写真が展示されていました。
感動しました。彼こそが戦場カメラマンだと思いました。
戦争という状況下で人間、生命を撮った素晴らしい写真家だったと思います。
本当に戦闘の中に身を置き、その中に「生きる」ということを撮っています。

是非ご自身でお調べいただき、ご覧いただき、ご判断下さい。
あくまでも私見ですから。。。

 

2013年3月23日 | カテゴリー : art, people | 投稿者 : Singer