ボクがこのニュースを知ったのは、日本時間の午前9時過ぎだったと思います。CNNとBBCはプログラムを変更してずっと事件の詳細を報道していましたが、日本のメディアはNNN24とTBSニュースバード以外は通常のニュース枠でしか扱っていませんでした。パリで悲惨な事件が起こっている時、日本では見たくもない娯楽番組が延々と放送されていて、何か不思議な感じがしました。
少しして外務省の非常勤職員の募集(専門分析員(アル・カーイダ,ISIL,中東,アフリカ,東南アジア等のテロ情勢))とういう採用情報がHPにアップされているのに気づきました。普通、この類いのスタッフは募集ではなく、スカウトです。当然外務省の中にはテロ情報専門チームがあるはずですし、適任者をノミネートしておくべきなのです。民間企業なら当たり前のことが、何故外務省では出来ないのでしょう。おそらく日本の役所が縄張り意識丸出しの縦割行政のせいかも知れません。テロ情報を含む諜報活動は、警察庁(内閣府)、都道府県警察(総務省)、公安調査庁(法務省)、外務省、防衛省が「独自に」展開しています。その結果、どこも中途半端、どこも情報提供責任を負わないという状況のようです。今回のパリ同時多発テロの情報収集は一体どこが主管でやるのでしょうか。諜報活動を国の機関としてきちんとやっていないおめでたい国は日本くらいじゃないでしょうか。
今回のテロは宗教に起因しているようですが、日本ほど異宗教に寛容な国はありません。要するに無関心なのです。
私見ですが、これは織田信長の延暦寺焼き討ちや島原の乱を契機に始まった江戸幕府のキリシタン弾圧のように、時の為政者が、宗教の政治的、経済的野心を極端に嫌ったことに因るのではないかと思っています。その結果、宗教は信者の精神的よりどころになることを第一として生き延びてきたのです。大晦日には除夜の鐘を聞き、正月には神社に詣でるといった、世界的には大変不思議な宗教観が浸透しました。いや宗教というより生活習慣、文化と言うべきかも知れません。
移民の国アメリカと、安易な移民政策を進めたフランスでは制度に大きな違いがあります。例えば入国審査がそうです。JFKで経験された方も多いでしょうが、アメリカの入国審査はとにかく厳しいです。特に中東、アジアからの入国者は、指紋、顔写真、はもとより、虹彩までチェックします。これらはすべてFBIに登録されるそうです。また短期間に複数の主要都市を単独で回ったツーリストは、必ず別レーンで持ち物検査をされます。すべて出します。ジョークを言っても検査官は笑いもしません。一方のフランスですが、ある時から入国カードがなくなりました。パスポートコントロール(イミグレーション)も形式だけです。CDGに入ってしまえばEU内の移動は簡単です。テロリストの入国を水際で食い止めるには、最低限でもアメリカ並みの手続きは必要だと思いますが、そうするとどこかの国では人権侵害と騒ぐ人が出てくるのでしょうね。
交通機関や情報ネットワークの発達で世界がこれだけ小さくなっているのですから、安全や平和に対する考え方も変わらなくてはなりません。
