役員「社長、今治課から(株)加計と取引したいとの申請が出ております」
社長「(株)加計の社長はよく知っています。問題がなければ認めてあげたら如何ですか? ボクも大きな顔ができるし」
役員「ただこの話は社長の就任以前から何度も申請が出ているのですが、決裁窓口の文科部が首を縦に振りませんもので」
社長「どういうこと?」
役員「どうやら文科部の取引先とバッティングするので、まぁ既存の取引先を優先させたいのではないかと」
社長「また随分硬直した考え方ですね。それとも今治課の業績向上にはならないのですか?」
役員「今治課は確実に業績が上がると言っているそうです。そこでですが、社長がリーダーでいらっしゃる業務改善プロジェクトに今治課から提案させたら如何かと」
社長「それは構いませんが、みんなが納得する形で頼みますね。その場合でも会社の規則通り入札という形はとってください」
役員「今治課は同じ案件を他の会社にも投げかけたようですが、(株)加計だけが食いついてきたと聞いております。社内で何度も却下された案件でもあり、他社は消極的のようです。とは言っても、社長のご心配の通り、一応他社にも声をかけてみる必要はあるかと思います」
社長「そうしてください。いずれにしても手続き上瑕疵のないようにしてください。それから文科部からもプロジェクトメンバーを募り、フォア・ザ・カンパニーの精神で一丸となって進めてください」
役員「仰るとおりです。本件は私があずからせていただき、社是でもありますブレイクスルーの精神を具現化させたいと思います」
社長「よろしくお願いします。それから(株)加計の社長はボクの友人ですから、コーポレートガバナンス上、ボクはかかわらないがいいのかも知れませんね。知らないことにしておきましょう」
役員「利益相反には当たりませんし、社長がご存じでも何ら問題はありません。一部のメンバーは社長が(株)加計の社長とご友人ということを承知しているとは思いますが、あくまでもフォア・ザ・カンパニーです。もっとも社長がご心配であれば一応そうしておきますが」
社長「そうしていただくとありがたい。李下に冠を正さずの例えもありますし、社外取締役から痛くもない腹を探られたくありません。ですから本件はボトムアップでいきましょう。ただボクに気を使って、あまり強引に進めないようにしてください。それだけはお願いします」
役員「承知いたしました。私が責任をもって進めます。プロジェクトメンバーは文科部とのしがらみがありませんので、今治課の提案が会社の利益に貢献すると判断されれば問題なく認められると思います」
社長「くれぐれも慎重にお願いします。文科部がネックなのは分かりましたが、あまり社内がギクシャクするのも困りますから」
役員「ご心配をおかけしております」
社長「はっ、はっ、はっ」