政治主導による行政をよりよい方向で実現するためには政治家の資質にかかっていると思います。とりわけ政治家がもつ国家観は重要だと思います。
日本国民が安全に、豊かに暮らせるために、どういう日本にしたいのか、そのために憲法はどうするのか、外交はどうするのか、人口問題はどうするのか、といった骨太な思想です。
民間企業で言えば「社是」や「経営理念」に当たる、政治家の存在価値と言ってもいいかもしれません。
かつて事業仕分けということが行われました。
民主党政権誕生時、政治主導による行政を明確にするために内閣府に行政刷新会議、内閣官房に国家戦略室が設置されました。
この事業仕分けは行政刷新会議の中で行われましたが、とりわけ独立行政法人や公益法人の見直しという作業自体は評価されるべきだと思います。これらの法人は各省庁の天下りを含め、様々な利権が絡んでおり、自民党政権では手が付けにくかったものだからです。
ただし主導する政治家の資質に問題があれば、全く逆の評価になってしまうこともあります。
「世界一になる理由は何があるんでしょうか? 2位じゃダメなんでしょうか?」
当時、蓮舫議員がスパコン開発予算の削減に当たって述べた言葉です。
1番を目指してもなかなか1番にはなれませんし、ましてや2番でいいと思ったら、ろくな点数がとれないことは学校で経験しているはずです。
技術や知的財産は、天然資源同様、国の重要な経済的資源ですし、天然資源の少ない日本は技術や知財に経済的活路を見出すしかありません。
例えばこの事業仕分けで予算が1/3に削減された山中教授の研究室は、3年後にips細胞でノーベル賞を受賞しましたが、京大がips細胞の基本特許を取得したことで、日本は高額な特許料を支払うことなく有利な立場で研究できるようになっているのです。もし2番だったら研究するのにも高額な特許料を支払い、成果は権利者にもっていかれるのです。ですから2番ではダメなのです。
そういうことが分からない、あるいは感じ取れないこの議員には、行政を主導する資質がないのです。
特に現代のように多様化した価値が混在する世界では、「見極める能力」、「戦略を描く能力」を併せ持った政治家が必要です。
その上で政治家のもっている資質や国家観というものも十分見極めて国政に送り出したいと思うのです。
それは選ぶ側の責任でもあります。