『山口小夜子 未来を着る人』展

IMG_20150625_103104299昨日、東京都現代美術館で開催中の『山口小夜子 未来を着る人』を見てきました。
これまであまり見る機会がなかったプライベートの品々も展示されていて、彼女の別の側面を見た気がしました。
資生堂のポスターをはじめ、たくさんの映像や画像で在りし日の彼女を懐かしく思い出すことが出来ました。
展示の構成、ボリュームも申し分ありませんでした。

実はこんなに素晴らしい展示だとは期待せずに行ったのです。単に七彩が作った彼女のマネキンを見たかったのです。
2005年、かつて三宅一生のチーフデザイナーであり、その後スーパー歌舞伎の衣装を担当している毛利臣男さんの「モーリの色彩空間」というイベントが青山のスパイラルであり、そこにはたくさんの山口小夜子のマネキンが、幻想的に展示されていました。
そう、まさに幻想的にです。資生堂の担当者によって施された化粧は、様々な表情を醸しだし、あたかも本人が立っているような、あるいはどこかに本人が潜んでいるのではないかと思わせるようなものでした。
山口小夜子に会えた。そう思える展示でした。
また小夜子さんに会える、そう思って出かけたのです。

ボクは一度だけ彼女に会ったことがあります。2002年4月2日です。彼女は思ったよりも背が高く、華奢ではあるけれどしっかりとした体幹をもっている女性という印象を受けました。
その数年前に初めて自転車に乗れるようになって、走った時の風を顔に受けるのが気持ちよくって走り回っていたら、ある日転倒して顔を数針縫ったというような話をしてくれました。
スパイラルではレセプションに大遅刻をしたため、彼女に会えずじまいで、その2年後に亡くなってしまいました。
毛利さんのあのマネキンをもう一度展示して欲しいものです。

それから今回は資生堂の力がハンパではなく、スチールをはじめ懐かしいCFも流すなど山口小夜子へのリスペクトが伝わってきます。企業としては正しい在り方です。
昨年資生堂ギャラリーで開催された「中村誠の資生堂 美人を創る」展をしのぐ出展量でした。

残りあと2日、見ておいても損はない企画展だとは思います。

山口小夜子さんが死んでしまった

2015年6月26日 | カテゴリー : joy | 投稿者 : Singer