今しがた新元号が発表になりました。
令和(れいわ)です。
31年前の昭和64年1月7日午前7時55分、昭和天皇の崩御が生中継で伝えられ、平成という時代になりました。
その前年の秋頃から、昭和天皇のご容態がおもわしくないというニュースが伝えられ、誰もがXデイが近いことを予感し始めていました。
当時、ボクはミキモトの広報におり、2年前の夏に体調不良のニュースが流れた時、直接の上司であった役員とXデイへの対応を決めていました。黒御影のミキモト本店の瀟洒なウインドウにあこや真珠を敷きつめ、そこに御真影を置くという、いたってシンプルなデザインでした。しかし問題がありました。既に通信社、新聞社、レンタルポジ、どのメディアも陛下のポジの貸し出しを禁止していました。宮内庁が配布した公式写真ですらです。電通からは「ミキモトさんでもそれだけは・・・」という歯切れの悪い返事しかもらえませんでした。仕方なく書店で売られている皇室関連の書籍から公式写真をとることにしました。書籍の写真は網点画像といって小さな点(ドット)のパターンで印刷されていますので、これを普通の写真のようにするため、現在でいうディスクリーニングという方法でなめらかな階調にしました。そしてフルカラーからモノクロに変換させ、その御真影と敷きつめるあこや真珠を広報専用の金庫に格納したのです。
Xデイの朝、役員をはじめ関係者に連絡を入れたのですが、肝心のディスプレーデザイナーと連絡が取れません。ボクの敬愛する天才・小松良さんです。
困りました。9時過ぎには本店に到着、取りあえず店内のカラフルな花は引っ込め、御真影と真珠を準備して小松さんの到着を祈るような気持ちで待ちました。
恐らく30分くらいして到着したように思いますが、とにかく長く、恨めしい時間でした。
無事作業も終わり、午後には小渕官房長官のあの有名な記者会見で「平成」の新元号が発表されたのです。
あれから31年。
新しい時代に入ろうとしています。