並木通りの5丁目にあったドイツレストランです。多分、自分のお金では食べたことがないと思います(笑)
上司のU課長のお気に入りで、時々お供をさせていただいたからです。
創業者の娘さんが、とは言っても既に年配でしたが、切り盛りをしていて、本格的なドイツ料理を出すお店として有名でした。
いつも
「ちょっと喉でも潤しに行こうか」
と誘ってくれたものです。
ドイツワインやビールを飲みながらのソーセージ、ロールキャベツ、ビーフストロガノフはまた格別の味でした。
U課長はケテルもその他の店もみんな交際費で処理していたので、早く課長になって交際費で酒を飲みたいと思ったものです。
しかし昭和56年の改正税制で交際費の取り扱いが厳しくなり、社用族が激減してしまいました。
ところでケテルの創業者、ヘルムート・ケテルは第一次大戦中、青島で日本軍の捕虜になり、その後そのまま日本に残留し、昭和2年にケテルの前身、バー・ラインゴールドという酒場を出しました。
このバー・ラインゴールドはソビエトのスパイ、ゾルゲの行きつけの店で、当時ウエイトレスとして働いていた石井花子という女性はゾルゲの愛人のひとりだったそうです。
銀座の店に歴史アリです。