『うさぎ』は銀座6丁目の一番手前角にあったバーです。通りは西五番街だったかなぁ。8丁目のビジー・ビーよりも少し高めで、それでも気分が乗ったときには行ってみたい店のひとつでした。
1階なのですが、ドアを開けると2、3段下がっていて、右手にダイアル式の黒電話があり、真っ直ぐ進むと右手にカウンターがありました。ある時間以降にはお客のような、実はアルバイトの女性がいて、マスターの合図でお客の横に座り、水割りか何かを飲み始めます。大体安全パイのお客の横にしか座らせないので、適当な会話の後は、少し高めのカクテルがお客のおごりとなります。
彼女たちは学生かOL風で、いわゆる水商売の匂いが全くしない人たちでしたから、結構いい雰囲気で場持ちをしてくれたのです。変なお客の隣はマスターが絶対に許しませんでした。
ビジー・ビーが純然たるバーだとすると、『うさぎ』は少しドキドキするような場所ではありました。
現在はサントリー白州工場の中に移築され、辛うじて当時の雰囲気を残しています。ただしボクが好きだったハイボールを作ってくれたソーダ・ディスペンサーは退役していました。
ディスペンサーのシュッ!というソーダは、ガーボネートされた瓶詰めのものとは違い、炭酸が逃げていますから柔らかいハイボールができました。